せっせと読書中(ウソ)

minyako2005-03-26

2:20

「すばらしきわが隣人/나의 아름다운 이웃」 ちょっと良い話集だと思って買ったら、大間違いで、かなりビミョ〜なショートショート。(表題作は良い話だったんですがね)2004,6月に入手して、いまだに読み終わらないのは、途中で別の本に浮気してるからです。
いま、読んでる4部作「枯れた花びらの追憶/마른 꽃잎의 추억」(※1)は、ヒロインにまったく感情移入できない怪作。
ヒロインは大学時代「ミス××大」に選ばれるような才色兼備の美女。学園の女王で、卒業時には両手に余るほどの男たちに求婚された。その中で、そこそこの家柄・容姿であり、彼女にベタ惚れで他の女に目もくれない誠実な男と結婚、現在は一男一女をもうけ幸せな生活を送っている。
●第1話:ヒロインが学生時代にふった男から「あの有名な画廊で個展を開くから見に来てくれ」という手紙が届く。
あら…彼はたしか画家になるのが夢と言っていた男だわ。あたしの言うことはなんでもきいてくれて、何を言っても怒らない、とっても優しい人だったわ。あたしと結婚したがっていたけど、経済的に苦労するのはイヤだからお断りしたんだっけ。成功したのね。良かったじゃないの。一応、お祝いするために足を運んでさしあげてもよろしくってよ。
個展の祝賀パーティ会場にて:…このあたしがわざわざ来てやったのに、彼は取り巻きに囲まれていて、あたしに挨拶にも来ない。ムカつくわ〜。そういえば朝からろくに食事もしてなかったっけ。ちょうどいいからここで食べて行こうっと。ついでだから子供たちにチョコレートとー、あ、ダンナにエビ料理をもらっていっちゃおっと。さー、帰ろう、帰ろう。…なんか、忘れてるわね。あ、彼の絵を一枚も見てなかった。ま、いいか。会場に戻るのもかったるいしぃ〜。
●第2話:学生時代、ついにあたしに求婚しなかった、たった一人の男。彼は財閥の息子だったから、結婚はしたくなかったけど(だって、家柄が良すぎると面倒くさいじゃない?)、プロポーズはされたっかったわ〜。そんで、ふりたかったのにな〜。え、彼、まだ独身なの?きっと、あたしのことをいまだに想っているのよね。いやだわ〜〜〜〜〜ん。
彼は阿呆宮/아방궁のような豪邸(←原文ママ。超高級マンションのワンフロア)にたった一人で暮らしている。とてつもなく高額な骨董品に囲まれて…。
「ねえ、どうしていつまでも独身でいるの?」「僕は…ロマンを求めているんだ。夢を見ているんだよ」「…あなた、いまが何年だかわかっているの?今は70年代なのよ!」(←これがオチなんですよ。※2)
●第3話:偶然、街で再会した彼。彼は「人はどこから来て、どこへ行くのか」ということを、いつも悩んでいたわ。それが鬱陶しくて、ふっちゃったのよね。
あの青く若かった時代から、これだけ遠くへ来たのだもの。もう、あなたに悩みなんかないでしょう?
「キミに去られた苦しみ。それが癒えれば、今度は金のない苦しみ。悩みは尽きることがないよ」
彼ったら、信じらんない!自分から喫茶店に誘っておいて、お茶代をあたしに払わせたのよ!学生時代の復讐のつもりかしら。あーあー。
●第4話:現在進行形で読んでます。ようやくダンナの話らしい。
・・・・・・・・勝ち組の女って・・・・。
読みながら「なんで、わたし、こんなの読んでるんだろう?」と、悲しくなってきたり、こなかったり。どんさんに「韓国語の勉強のつもりで読んでるんだろう。泣き言いわずにがんばれ!」と応援されてるけど…、この4部作はほんとにツライです。
他にも「わたしは身長165センチ。わたしの好きな人はたった170センチ。わたしがハイヒールを履くと、わたしの方が背が高くなっちゃう。彼に想いを伝えたいけど、背の低い男と結婚するのは、わたしの自尊心が許さない」という女の子の話とか、「わたしはなにがなんでも30歳までに結婚したいの。30歳すぎたらハイミスって言われちゃうじゃない」と、大騒ぎして、婚約者(見合いで決まった相手)に幻滅される29歳の女性の話とか、読んでて苦しくなる話満載です。あうー。

      • ※1 ヒロインが大学卒業時にたくさんの男たちからもらった花たばの中から1本づつ、押し花にして、今も大切にしまっていることからついたタイトルと思われ。
      • ※2 …そうか、そういえばこの本は1970年代に書かれたものだったんだわ。絶版だったものを、タイトルと装丁を替え、再版したと前書きにも書いてあったっけなあ。ぼんやり。じゃあ、しかたないのか、色々と。